年間を通しては、秋口から冬、そして春先特有のこの症状。
昭和の時代の末頃から真夏にも見かけるようになり、段々と増えているようです。
なかなか治らずに長引き、『単なる咳ではなく、どこか悪いのではないか?』とか『もうトシかな?』などと落ち込む方もいらっしゃるのではないでしょうか?
原因は、昔から良く知られていました。
江戸時代の昔から、秋風とともに多くの人が体験したそうです。
暑い夏を過ごすためにスイカや瓜、冷たい飲み物の取りすぎが原因。身の回りが暑くて、摂取した水分がどんどん汗で出ていけば、全く問題ありません。
秋風(涼風)が吹くとともに、発汗が減り、摂取した水分がさばけにくくなりますが、暑い夏の頃の習慣がそのまま続き、スイカ、瓜、冷たい飲み物はなかなかやめられません。
実は、体の水分の3分の2は腎臓がオシッコとして排泄しています(汗は約3分の1、他に呼気等)。
約7割近くをさばく腎臓がしばらくは頑張れますが、次第に無理がきてついにはギブアップしてしまいます。
尿量が減少すると、すぐに水分が体内にだぶついた状態となります。漢方での、水毒、水滞状態となります。
体は困るわけですが、なんとか改善をはかろうと、まず発汗での処理を行おうとします。体表に血液を集め、高い所に運んでの効率的処理(まるで煙突のよう)を目指します。
すなわち、上半身に充血が起こるのです。
めまい、頭が重い、充血により熱っぽい、ノドが渇く、鼻粘膜もビショビショで、鼻汁がでやすい(実は鼻炎の大きな一因です)などの症状が起こります。咽喉粘膜も腫れやすく、物理的刺激であるイビキ、細菌やウイルス感染等でも容易に炎症が起こります。
疑問に思われる方は、お試しを!
氷の入ったようなごく冷たい飲み物を飲みつつ、クーラーをきつめにかけます。あつがりの人でも数日、冷え性の方は一日もたたないうちにノドの痛みを覚えるでしょう。そのまま続けると必ず咳へと進みます。
しかし、すぐに止めればすぐに治ります。
もう、おわかりですね?
現代は江戸時代に比して、冷蔵庫、クーラー、甘くて冷たくおいしいアイスやジュースがあふれており、それらが一層ひどくしているのです。
冒頭の症状でお悩みの方!
冷たいものを止め、温かいものに変え、かつその量を3分の1から5分の1に減らして下さい。
数日で改善していくことでしょう。
一層速やかに治すためのお薬は、原因を早くとる漢方がおすすめですが、OTCのセキ止め薬でもしっかり養生すれば良いでしょう。