『子供を産んでから身体が丈夫になった。』
『長男が全部毒をもって産まれてくれたのか、すっかり丈夫になった。』
などと昔からよく耳にしたものです。
ついこの間も中年のご婦人がお互いにそんな話をしあい、不思議ね~という結末でした。
しかし、理由があったのです。
外国のマウスでの研究です。
胎児の細胞が母親の血液中に入り込み、人間では出産後、27年間以上も母親の体内に残ることがあるのだそうです。
胎児細胞は幹細胞のように様々な細胞に変化でき、傷ついた臓器の修復を助けていると考えられています。
マウスの実験では、脳細胞1000個あたり胎児由来の細胞が1個、ときには10個に達することが確認されました。
これらの胎児細胞はニューロン(脳神経細胞)やアストロサイト(ニューロンに栄養を供給する細胞)、オリゴデンドロサイト(電気信号が漏れないように守る細胞)、マクロファージ(細菌や傷ついた細胞を食べる貧食細胞)に似た細胞に変化しました。
さらにマウスの脳を科学薬品で傷つけたところ、損傷部位には他に比べて約6倍の胎児細胞が集まりました。
脳がSOS信号として放出した分子に反応して胎児細胞が集まったと考えられます。
考えさせられるニュースですね。
女性が長生きの理由の一つなのかもしれません。
2006年1月31日